カニューレ(脂肪吸引管)とは?|種類・使い方・選び方!【※医療メーカーが徹底解説】

カニューレ(脂肪吸引管)とは?

カニューレ(脂肪吸引管)とは?

脂肪吸引で欠かせない医療器具のひとつが「カニューレ(脂肪吸引管)」です。
カニューレには、先端の形状や穴の配置、太さや長さなどさまざまな種類があり、選び方によって安全性や術後の仕上がりに大きく影響するため、施術する部位や目的に合わせて使い分ける事が重要です。
今回この記事では、カニューレの種類や特徴、選び方や最新の技術などについて詳しく解説していきます。

カニューレ(脂肪吸引管)とは?美容医療で使われる専門器具の基本

カニューレ(脂肪吸引管)とは?美容医療で使われる専門器具の基本

「カニューレ」とは、体内に管を通して液体を注入したり、反対に体液や気体・組織を排出したりするために医療現場で使われる器具です。
点滴用カニューレ、気管切開用カニューレ、血管内留置カテーテルなど、診療科ごとにさまざまな用途があります。
その中でも、美容外科の分野で注目されているのが「脂肪吸引用カニューレ」です。
医療用カニューレとは構造や用途が異なり、脂肪を効率的かつ安全に吸引するために特化した器具です。
まずは、脂肪吸引で使われるカニューレの定義や役割について見ていきましょう。

カニューレ(脂肪吸引管)の定義と脂肪吸引での役割

前述のとおり、カニューレにも様々な種類がありますが、美容外科においては主に脂肪吸引のために使用され「カニューレ=脂肪吸引管」として扱われる事が多いです。
脂肪吸引で使われるカニューレの場合、皮膚に小さな穴を開け、そこからカニューレを挿入して皮下の脂肪細胞を除去していきます。
脂肪吸引では、カニューレの挿入角度や動かし方が非常に重要で、狙った範囲の脂肪だけを均等に除去するためには、医師の技術だけでなく、適切な太さや形状のカニューレが不可欠です。
また、手術後の仕上がり、例えば凹凸の少なさや自然な曲線にも大きく関わってきます。
脂肪吸引は世界中で最も多く行われている美容外科手術のひとつであり、技術の進化とともに使用器具にも注目が集まっています。
特にカニューレの選び方と使い方は施術結果に直結する要素とされています。
例えば、太ももの脂肪吸引を行う際には、長めでしなやかなカニューレを使い、広い範囲を効率よくカバーします。
また、二の腕やフェイスラインなどの繊細な部位には、短くて細いカニューレを選ぶことで、皮膚表面へのダメージや内出血を抑えながら自然なラインを作り出すことが可能です。
このように、カニューレは単なる「脂肪を吸うための管」ではなく、部位や目的に応じて使い分ける専門的な医療器具と言えます。
脂肪吸引を検討している方は、どんなカニューレが使われるのかを知っておくことで、施術への理解が深まり不安の軽減にもつながるでしょう。

医療現場で使われる他のカニューレとの違い

医療の現場では、カニューレという言葉はとても幅広い意味で使われています。
例えば、点滴を入れるための静脈用カニューレ、酸素吸入や人工呼吸を行うための気管カニューレなどがあります。
いずれも「体内に通路を確保する」ことを目的としており気体や液体の出入りが主な役割です。
一方、脂肪吸引に使用されるカニューレは、脂肪組織という固形の物質を崩しながら吸引するという特殊な用途のため、構造や材質に大きな違いがあります
具体的には、先端が丸く加工されていて、脂肪を傷つけすぎずに吸い取ることができるように設計されています。
また、皮膚や血管を極力傷つけないように穴の位置や本数も工夫されています。
気管カニューレは柔らかい素材で長時間体内に挿入したまま固定することが前提ですが、脂肪吸引用カニューレは金属製で、施術中のみ短時間使用されるものとして作られています。
また、脂肪吸引用のカニューレは吸引力に耐える強度が必要なため、ステンレスやチタンといった素材が用いられています。
このように、同じ「カニューレ」でも用途や構造、使用目的は大きく異なります。
脂肪吸引に関する情報を調べている方が「気管カニューレ」などの情報と混同してしまうケースもありますが、脂肪吸引におけるカニューレは、まったく別の目的と構造を持った器具であることを理解しておくことが大切です。

脂肪吸引でカニューレが必要な理由

脂肪吸引の施術では皮下脂肪を効率よく、かつ安全に取り除く必要があります
脂肪は皮膚のすぐ下に網の目のように分布しており、手術ではこの脂肪層に器具を挿入して吸引を行いますが、直接脂肪を取り出すためには専用の管が必要になります。
この時に欠かせないのがカニューレです。
カニューレは、脂肪吸引で余分な脂肪を狙った部分から正確に取り除くための大切な器具です。
太すぎるカニューレを使うと脂肪を取りすぎてしまうことがあり、逆に細すぎると十分に吸引できない場合があります。
また、適切でない使い方をすると内出血や皮膚のたるみにつながることもあります。
そのため、施術する部位や目的に合わせて、最適なサイズや形のカニューレを選ぶことがとても重要です。
実際の施術では、吸引の動きと患者の体型、脂肪の付き方を総合的に見ながら、複数のカニューレを使い分けることもあります。
日本人の体型は欧米人に比べて脂肪が浅い層に多いため、比較的細めのカニューレが使われる傾向にあります。
カニューレがなければ脂肪を効率的かつ安全に取り除くことはできません。
逆に、技術のある医師が適切なカニューレを用いて施術すれば、施術時間の短縮、ダウンタイムの軽減、仕上がりの自然さといった多くのメリットが得られます。
器具と技術の両方がそろってこそ、満足度の高い結果につながるのです。

注射針やメスとの違い

脂肪吸引に使われるカニューレは、一般的な注射針や手術用メスとどう違うのかという疑問を持つ方もいるかもしれません。
見た目は同じように金属製で細長いものですが、目的や構造は大きく異なります。
注射針は薬液を体内に注入したり、血液を採取したりするために使われる極細の鋭利な針です。
先端は皮膚に刺さりやすいよう尖っており、管の内径も非常に小さいため、大きなものを吸い出すことはできません。
一方で、脂肪吸引用のカニューレは、先端が丸く皮膚や血管を傷つけにくい構造になっています。
また、メスは皮膚を切開するための刃物であり、脂肪そのものを取り除くためには使われません。
脂肪吸引では皮膚に数ミリの小さな穴を開け、そこからカニューレを挿入して内部から脂肪を吸引するためメスによる大きな切開は不要です。
そのため、術後の傷跡も非常に小さく目立ちにくくなります。
例えば、顔の脂肪吸引では直径1〜2ミリの極細カニューレを用い、耳の裏やあご下など目立たない場所に穴を開けて施術します。
このような部位は注射針では対応できず、またメスを使うと大きな傷跡が残るため、カニューレが最適な手段となります。
脂肪吸引におけるカニューレは単なる医療器具ではなく、美容医療に特化した専用ツールとして設計されおり極めて重要な役割を担っています。

カニューレ(脂肪吸引管)の種類と特徴

カニューレ(脂肪吸引管)の種類と特徴

カニューレは「太さ」「先端形状」「穴の数」「長さ」という4つの要素の組み合わせで構成されており、医師はこれらを的確に選び分ける必要があります。
どのような器具が使われるのかを事前に理解しておくことで、安心して施術に臨むことができるでしょう。

太さの違いと仕上がりへの影響

脂肪吸引で使用されるカニューレには、太さの異なるさまざまな種類があります。
吸引する脂肪の量が多く、広範囲を一気に処理したい場合には太めのカニューレが使用されます。
反対に、フェイスラインや二の腕、膝回りなどの繊細な部位では、慎重な処置が求められるため細いカニューレが好まれます。
また、過剰な脂肪除去による凹凸やたるみを避けるためでもあります。
太さによる違いを以下にまとめてみました。

カニューレの太さ 適した部位 特徴
太い(例:3.0mm〜5.0mm) 太もも・ふくらはぎ 吸引量が多い、時短になる
中間(例:2.5mm〜4.0mm) お腹・背中・二の腕 バランスが良く汎用性が高い
細い(例:1.5mm〜3.0mm) 顔・フェイスライン 精密な仕上がり、内出血を抑える

医師の間では「仕上がりの質=カニューレの精度」とも言われており、単に太さだけでなく部位に応じた選定が美しい結果につながるとされています。
実際クリニックでは、太さの異なる複数のカニューレを部位ごとに使い分けることが一般的です。

先端の形状(丸型・斜め型)による吸引の精度

カニューレの先端部分には吸引口の形状に違いがあります。
主に「丸型」と「斜め型(ベベル型)」に分けられ、使用する部位や吸引の目的によって使い分けられます。
丸型の先端は、皮膚や血管への刺激を抑える設計で安全性を重視した構造になっています。
比較的深い脂肪層に向いており広範囲を安定的に吸引できます。
斜め型は先端が鋭く、繊維質が多い部位や硬い脂肪を崩しながら吸引するのに適しています
男性の胸部や背中のように、皮下脂肪が硬く厚い部分ではこの斜め型が活躍します。

  • 丸型・・・太もも、お腹、腕など広く柔らかい脂肪層
  • 斜め型・・・二の腕の裏側、肩甲骨周り、男性の胸部など繊維が多く硬い部位

近年では、吸引と同時に脂肪の繊維を切断しやすいように工夫された先端構造が登場しており、より高度な技術が求められるようになっています。

穴の数と配置で変わる吸引効率

カニューレの筒部分には小さな吸引穴が複数空いており、この穴の「数」と「配置」が吸引効率と術後の仕上がりに大きく影響します。
穴が多いほど一度に吸引できる脂肪の量は増えますが、その分コントロールが難しくなり吸いすぎてしまうリスクもあります。
一方、穴が少ない場合は吸引量が減る分、繊細なコントロールが可能で特に表層の脂肪除去に向いています。
また穴の配置にも種類があり、以下のように使い分けられます。

穴の位置 特徴 適した部位
全周タイプ 一度に多く吸引可能、スピード重視 太もも・腹部
片側タイプ 精密な操作が可能、リスクを最小限に 顔・顎下・背中
先端集中型 奥まで届きやすく、深層脂肪に強い 腰・背中

上記のように部位ごとにカニューレを使い分けることによって、理想的なバランスで脂肪を取り除くことができます。
また、手術時間の短縮やダウンタイムの軽減にもつながり患者側のメリットも大きくなります。

長さ・硬さの違いと部位別の使い分け

カニューレには長さと硬さにも種類があり吸引の質に大きく関わります
長さは5cm程度の短いものから30cm以上の長いタイプまであり、部位や体型に合わせて選ばれます。
長いカニューレは広範囲を一気に処理できる反面、取り扱いが難しくなります。
短いカニューレは狭い部位や小回りの利く施術に向いており、細かい仕上げに適しています。
硬さに関しては、しなやかな柔軟タイプと剛性のある硬質タイプに分かれます。
柔らかいタイプは皮膚や血管への負担を軽減できるため、ダウンタイムを抑えたい部位に有効です。
硬いタイプは力を入れて吸引したい部位や、脂肪がしっかりと付いている部位に向いています。

  • 長くて硬い・・・腹部、背中、太もも
  • 短くて柔らかい・・・顎下、膝、フェイスライン
  • 中間の長さと硬さ・・・二の腕、腰

カニューレ(脂肪吸引管)の選び方と術後への影響

カニューレ(脂肪吸引管)の選び方と術後への影響

カニューレを部位や目的に応じて適切に選ぶ事で、仕上がりの自然さやダウンタイムの短縮につながります。
しかし、反対に選び方を間違えると内出血や腫れが長引く可能性があり、術後の快適さや見た目に影響を与えます。

医師が症例に応じて使い分ける理由

脂肪吸引で使用されるカニューレは見た目は単純な管状の器具ですが、前述のように、実際にはさまざまな形状・太さ・長さがあり、それぞれ用途が異なります。
医師が症例ごとにカニューレを使い分ける理由は、吸引効率の最大化と仕上がりの美しさ、そして患者の身体的負担を最小限に抑えるためです。
脂肪吸引手術の満足度は「器具の選定」と「医師の技術力」が大きな要因であるとされています。
つまり同じ手術であっても、どのカニューレを使うかによって仕上がりの美しさや回復の早さなど術後の結果に差が出るということです。
実際には、以下のような判断基準でカニューレを選んでいます。

  • 広範囲で深い脂肪・・・太く長めのカニューレ(太もも・お腹など)
  • 曲線が多く凹凸が目立ちやすい部位・・・細く柔らかめのカニューレ(二の腕・フェイスラインなど)
  • 脂肪が硬い場合・・・先端が斜め型のカニューレ(背中・男性の胸部など)

ダウンタイムや内出血に与える影響

カニューレの選び方は、術後のダウンタイムや内出血の程度にも直接関係しています。
太くて硬いカニューレは吸引率が高い分、皮膚下の組織や毛細血管に与えるダメージが大きくなりやすいため内出血や腫れが出やすくなります。
一方、細くてしなやかなカニューレを使えば、皮膚や血管への負担が減り、結果としてダウンタイムの短縮が期待できます。
脂肪吸引後に起こる症状には以下のようなものがあります。

  • 腫れ(浮腫)・・・施術直後から数日間
  • 内出血(青あざ)・・・1週間〜10日ほどで消失
  • 筋肉痛のような痛み・・・3〜5日間
  • 硬縮(しこり)・・・2〜4週間後に出現し、3ヶ月ほどで自然におさまる

上記のような症状は、吸引の方法や使われるカニューレの種類によって程度が異なります。
カニューレの先端の形状や穴の数・配置によって、脂肪をどの層からどの程度削るかが変わるため、術後の経過にも影響が出てきます。
例えば、表層の脂肪を多く除去する場合などは、皮膚との距離が近いため、より慎重な操作が必要となります。
ここで太いカニューレを使用すると、吸引量は多くても仕上がりが不自然になったり、皮膚表面に凹凸が生じたりする可能性があります。
そのため、術後の快適さや自然な見た目を重視するのであれば、ダウンタイムを考慮したカニューレの選定が重要であり、医師とのカウンセリングでその点を確認しておくことが大切です。

極細カニューレのメリット・デメリット

極細のカニューレは、最近の美容外科のトレンドとして注目されている器具の一つです。
直径1〜2ミリほどの細いカニューレを使うことで、吸引による組織へのダメージを最小限に抑えることができます
主なメリットは以下の通りです。

  • 内出血や腫れが少なくなる
  • 傷口が小さいため、縫合不要で跡が目立ちにくい
  • 細かい部位の仕上がりが自然になりやすい
  • 術後の回復が早く、社会復帰がしやすい

しかし、極細カニューレにも以下のようなデメリットも存在します。

  • 吸引力が弱いため、広範囲や脂肪が厚い部位には不向き
  • 吸引に時間がかかるため、施術時間が延びる可能性がある
  • 医師の技術力が必要とされる(均一な仕上がりにするには熟練が必要)

顔やあご下の脂肪吸引など、繊細な仕上がりが求められる部位では極細カニューレの活躍が目立ちます
しかし、お腹や太ももなど大量の脂肪を取り除きたい場合には、細いカニューレだけでは不十分であり、太さの異なる複数の器具を併用するのが一般的です。
綺麗な仕上がりと安全性を両立できる一方で、使いこなすには医師の高い技術が必要です。

施術前に患者が確認しておくべき点

脂肪吸引を検討している患者にとってどんなカニューレが使われるかは、仕上がりだけでなく術後の過ごしやすさにも関係する重要な要素です。
器具の専門的な知識をすべて理解する必要はありませんが、カウンセリング時に最低限以下の点を確認しておくと安心です。

  • 使用するカニューレの太さや長さはどれくらいか
  • 部位ごとに器具を使い分けるか
  • 傷跡はどの程度残るか
  • ダウンタイムを短くする工夫はあるか
  • 術後のケア(圧迫、冷却など)はどう行われるか

カニューレに関して医師から十分に説明がない場合は、不安な点を遠慮なく質問することが大切です。
公式サイトに使用するカニューレの種類や特徴を記載しているクリニックも増えているため、事前に調べておくのがおすすめです。
自分の体に合った施術を受けるためにも、カニューレの特徴を知り、納得した上で手術を受けることが満足度の高い結果につながるでしょう。

最新の脂肪吸引とカニューレ技術の進化

最新の脂肪吸引とカニューレ技術の進化

近年の脂肪吸引は、新技術と専用カニューレを組み合わせることで、体への負担が少なく滑らかな仕上がりが可能になっています。
さらに高性能で極細のカニューレも開発され、より安全な施術が実現しています。

ベイザー・ボディジェットなどとの組み合わせ

現在の脂肪吸引は、単純に脂肪を吸い取る時代から大きく進化しています。
特に注目されているのが、「ベイザー脂肪吸引」や「ボディジェット脂肪吸引」といった、専用のエネルギーや水圧を利用した方法です。
これらの技術とカニューレを組み合わせることで、より安全で仕上がりの美しい脂肪吸引が実現されています。
ベイザー脂肪吸引では、超音波を用いて脂肪細胞を柔らかくし、周囲の組織を傷つけずに脂肪だけを乳化させて吸引します。
この方法では、従来のカニューレよりも細いものが使用される傾向があり、術後の腫れや内出血を最小限に抑えることが可能です。
また、ベイザー機器の先端から超音波エネルギーを出すことで、吸引前に脂肪を液状化させ吸い出しやすくする点も特徴です。
一方、ボディジェット脂肪吸引では、水流の力を使って脂肪細胞を分離させます。
水の圧力で脂肪細胞を浮かせてから吸引するため、血管や神経へのダメージが少なく術後の回復が早いのが特徴です。
比較的広範囲の脂肪除去に適しており、ボリュームを抑えた柔らかい仕上がりを得たい人に支持されています。
こうした先進技術では、カニューレの設計も専用のものが採用されています。
ベイザー用には超音波に対応した振動伝達型のカニューレ、ボディジェット用には水流の噴出を制御できる二重構造のカニューレが使われます。
ただ吸引するだけでなく脂肪を柔らかくしたり、体内の組織への負担を軽減したりすることが可能になります。
たとえば、従来型のカニューレでは10ミリ前後だった吸引管が、これらの新技術では3〜5ミリの極細カニューレで代用できるケースもあります。
その分、傷跡が目立ちにくく社会復帰までの期間が短縮されるため、働きながら美容施術を受けたい人にとって大きな魅力となっています。

国内外で進化する高性能カニューレ

脂肪吸引の進化に伴い、それを支えるカニューレも日々改良が加えられています。
従来の「脂肪を吸うための金属製の管」というイメージから、今では人体にやさしく、かつ効率よく脂肪除去ができる『スマート器具』へと進化しています。
アメリカやドイツなどの先進医療機器メーカーでは、チタン合金や軽量ステンレスを素材に使い、操作性を高めたモデルが開発されています。
これにより、長時間の手術でも医師の負担が少なくなり、より精密で丁寧な施術が可能になります。
また、最近ではカニューレの「穴の配置」にも工夫が凝らされています。
従来はただ先端付近に複数の穴が空いているだけでしたが、今では脂肪の層や部位ごとに吸引効率を最適化するため、以下のような特化型が登場しています。

  • 全周型吸引穴・・・太もも、腹部などの広範囲用
  • 偏向吸引型・・・顎や顔など、皮膚表面への影響を避けたい部位用
  • ピンポイント型・・・しこりや局所脂肪の除去に特化

こうしたカニューレの性能向上は、術後の凹凸を減らすだけでなく皮膚の引き締まりにも好影響を与えるとされています。
特に日本では、細かい仕上がりにこだわる傾向が強いため、こうした高性能カニューレの導入が進んでいます。
トラブルの少ない安全な施術が増加し、脂肪吸引に対する心理的ハードルも下がってきています

医療メーカーが開発する最新トレンド

カニューレの進化は、医療現場だけでなく医療機器メーカーの技術革新に支えられています。
最近では、「低侵襲・高精度・短時間」という三拍子を重視した設計がトレンドになっており、開発段階から医師との共同研究が行われるケースも増えています。
特に注目されているのが「マイクロカニューレ」と呼ばれる極細タイプです。
これは1ミリ以下の直径でありながら十分な吸引力を保ち、フェイスラインや頬などの繊細な部位に適しています。
皮膚表面への影響を最小限に抑え、術後の腫れや内出血を大幅に軽減することができます。
さらに、3Dプリンター技術を活用したオーダーメイドのカニューレ開発も始まっています。
患者ごとに異なる体型や脂肪のつき方に合わせて、最適な吸引角度や形状をもったカニューレが作成され、手術の精度が格段に向上すると期待されています。
一部の先進クリニックでは、吸引圧や動作角度をリアルタイムで数値化できる「スマートカニューレシステム」の導入も始まっています。
このシステムでは施術中に吸引の強さを自動で調整し、過度な吸引や偏りを防ぐことができるため医師の判断を補助するツールとして注目されています。
国内では、厚生労働省の医療機器認証制度に基づいて安全性の高い製品だけが導入されており、信頼性のあるカニューレが普及しています。
メーカー側も、患者の声や術後データを収集しながら次世代の製品開発に活かしています。
施術を受ける際には、使用されるカニューレがどのようなものかを確認することで、より納得のいく選択ができるようになるでしょう。

株式会社リタハート

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